島根県隠岐の島町の町漁業集落西郷中央地区が、元代表が所有する漁船を事前承認なしに同団体に売却したのは無効だとして、元代表に漁船代金400万円の返還を求めた訴訟の判決が9日、松江地裁西郷支部であった。山中耕一裁判官は訴えを認め、請求通り支払いを命じた。

 山中裁判官は、原告の主張通り、売買には役員会などを開いて承認を受ける必要があったと認定。「役員会を開くための通知がなかった」と指摘し、合意を得ていたとする元代表の反論を退けた。

 元代表は「規約に基づいて当時の役員で判断した。判決は承服できず、控訴したい」と話した。

 訴状などによると、元代表は漁場監視などを理由に当時の副代表を代表代理とする契約を結び、自ら所有する漁船を400万円で売却した。町漁業集落西郷中央地区は国の交付金などを使って漁業振興事業を行う団体。