18歳以下の子どもに10万円相当を配る政府の臨時特別給付金について、山陰両県内で14日以降、先行する現金5万円の支給が順次始まる。児童手当を受けている中学生以下を含む世帯は年内に振り込まれる。残る5万円相当を巡っては、政府が現金給付も可能としたことを受け、島根県内の2町村が現金での検討に入った。 (取材班)

 先行する現金5万円は、市町村が0~15歳の中学生以下を対象とする児童手当の仕組みを活用して支給。原則、中学生以下がいる世帯は自動で振り込まれる。

 子どもが高校生世代のみのほか、来年3月末までに生まれる新生児の場合や職場から児童手当を支給される公務員の世帯は多くの市町村で申請が必要となる。

 8日時点の支給予定を両県の計38市町村に聞き取った結果、中学生以下に対しては14日に島根県知夫村で始まり、今月下旬に集中。申請が必要となる世帯には手続きを経て、来年1月以降に順次支給する。

 知夫村は独自の子育て支援奨励金の対象が高校生までのため、高校生も中学生以下と同じ支給日とする。

 10万円相当の支給は新型コロナウイルスの経済対策の一環。政府は現金と5万円分クーポンに分けた給付を基本としてきたが、自治体の実情に応じてクーポン分を現金で対応することも可能と表明した。

 これを受け、両県の36市町村は対応を未定とする一方、島根県の知夫村と隠岐の島町は現金での検討に入り、同町保健福祉課の金田緑企画幹は「学用品を島外で購入する町民の事情を考慮しなければならない」と話した。

 ただ、政府の制度設計の詳細は明らかになっていない。市町村担当者からはクーポンになると、使用可能な店舗の選定など事務負担が増す上、給付が遅れる可能性などに懸念の声が上がり、津和野町健康福祉課の土井泰一課長は「早く内容を示してほしい」と政府に求めた。