全面通行止めとなり、立ち入りが一時禁止された国道9号=出雲市多伎町小田
全面通行止めとなり、立ち入りが一時禁止された国道9号=出雲市多伎町小田

 8月に地滑りが発生した出雲市多伎町小田の国道9号沿いの斜面で13日午前9時20分ごろ、現場に設置した観測機器で基準値を超える地滑りが確認され、国道9号が約3時間半にわたって全面通行止めとなった。並走するJR山陰線も約4時間、出雲市-大田市間の運転を見合わせた。

 国土交通省松江国道事務所によると、午前9時19分に地滑りの状況を監視する「伸縮計」が1時間当たり2・0ミリの基準値を上回る2・4ミリのずれを観測した。このため、出雲市多伎町多岐-大田市朝山町間(9・1キロ)を午前9時28分から全面通行止めにした。

 基準値を超えたのは6カ所の監視箇所のうち最も西側の地点で、その後は地滑りが収束。職員が現地で亀裂や崩落が無いことを確認し、午後1時に片側交互通行に切り替えた。

 一方、JR米子支社も午前9時20分ごろから運転を見合わせ、午後1時24分に運転を再開した。特急など計15本が部分運休、普通3本が運休し、約700人に影響が出た。見合わせ区間はバス、タクシーで代替輸送した。

 出雲市によると、多伎循環バスは上下線22本のうち、3本が運休、1本が部分運休した。

 国道9号は8月18日の地滑り発生後、全面通行止めにして応急工事を行い、10月18日以降は片側交互通行となっていた。基準値は有識者による対策検討委員会が定め、超過した場合は全面通行止めにすることを確認していた。 (松本直也)