そばを味わう高齢者を見守る田中コヅエさん(右)=大田市川合町、眺峰園
そばを味わう高齢者を見守る田中コヅエさん(右)=大田市川合町、眺峰園

 赤穂浪士の「討ち入りの日」である14日、四十七士が討ち入り前にそばを食べたとされる逸話にちなみ、飲食店経営の平和亭(大田市大田町)が特別養護老人ホーム「眺峰(ちょうほう)園」(同市川合町)の利用者らにそばを振る舞った。半世紀にわたって続く計らい。お年寄りたちは熱々の一杯をゆっくりと味わった。

 1974年、当時開所間もなかった眺峰園に平和亭の前社長、田中コヅエさん(83)がそばを差し入れたのがきっかけ。

 新型コロナウイルス禍ではあるものの、利用者らのためにも今年で48回目となる恒例行事をぜひとも継続したいと施設側が要望。コヅエさんと息子の伸哉社長(52)が昼食の時間に合わせ80食分を提供した。

 利用者は「おいしい」「そばが好きなんです」と喜び、コヅエさんは「50年は続けたいと言って始めた取り組み。皆さんの元気を励みに今後も引き続き頑張りたい」と笑顔を見せた。
      (錦織拓郎)