入浴客が漬かる湯船を埋めるユズ=大田市温泉津町温泉津、薬師湯
入浴客が漬かる湯船を埋めるユズ=大田市温泉津町温泉津、薬師湯

 【大田】冬至の22日、島根県大田市温泉津町温泉津の共同浴場「薬師湯」でゆず湯のサービスがあった。大田、出雲両市産の鮮やかな黄色いユズ約1100個が湯船を埋め、県内外から訪れた入浴客たちが爽やかな香りを満喫しながら体を温めた。

 入浴客がユズにペンで好きな1字を書く取り組みも行い「希」「縁」「金」など幸多い新年への期待を込めた字や、世相を反映した字が目立った。

 長年この時期に必ず訪れるという神戸市須磨区の団体職員、住岡孝史さん(56)は「ここに来て温まらないと1年が締まらない」と笑い、新型コロナウイルス禍のさなかで「来年こそ健康で平穏無事に過ごしたい」と述べ、「平」とユズに書き込んだ。

 薬師湯の内藤陽子代表は「ゆったりとした気持ちで免疫力を高め、元気に新年を迎えてほしい」と話した。

  (錦織拓郎)