署名簿を提出する河合康明共同代表(左)=米子市加茂町1丁目、市役所
署名簿を提出する河合康明共同代表(左)=米子市加茂町1丁目、市役所

 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働の是非などを問う住民投票を求める米子市の市民団体が24日、実施に賛同する署名が1カ月間で1万3824人分集まったと明らかにした。1月下旬ごろに条例制定を伊木隆司市長に直接請求する。

 住民投票は、高校生以上の市民を対象に、2号機の再稼働と3号機の新規稼働について賛成か反対の二者択一で問うもので、実施するには市議会が条例制定案を可決する必要がある。

 市民団体「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子」が11月19日から今月19日まで、署名活動を展開。集まった署名の数は、地方自治法に基づく直接請求に必要な有権者の50分の1(2446人)を大きく上回り、審査のため、24日に市選挙管理委員会へ署名簿を提出した。

 団体の河合康明共同代表は、市域の一部が原発から30キロ圏内に含まれることを踏まえ「主権者である住民の意思を十分に反映することが地方自治のあるべき姿だ」と強調した。

 伊木市長は直接請求を受理してから20日以内に、市長意見を付けて市議会に条例制定案を提出する。

 市選管によると、市内では1988年、実施には至らなかったものの中海淡水化の賛否を問う住民投票条例が制定され、その際は有権者の半数に当たる4万4951人分の有効署名が集まったという。
      (田淵浩平)