半年間にわたる大阪・関西万博も残り1カ月余り。会場にはきのうまで「ご縁も、美肌も、しまねから。」をテーマに島根県の自然や歴史を紹介する特設ブースがお目見えし、来県者を増やす呼び水になったようだ。
思えば、開幕前の万博の評判は散々だった。6422万人が来場した前回1970年の大阪万博は、高度経済成長期真っただ中に開催され国民の期待も大きかった。それに比べて現代は人口減少が進んで閉塞(へいそく)感も漂い、「いまさら万博なんて」という批判も多く聞いた。現に前売り券の販売も伸び悩んでいた。
ただ、開幕後は酷評が覆っている。世界各国のパビリオンが魅力的なようで、若者たちが交流サイト(SNS)を通じて情報を次々と発信。酷暑の中、行列に並んだ同僚も「1日ではとても回れない。もう一度行きたい」と熱望していた。
現在は広島で働くわが家の息子は3度も足を運び、マレーシアやチュニジアなど異国の文化や料理を堪能したそうだ。手軽に世界旅行を楽しむ感覚なのだろう。インターネットを通じて世界の情報を簡単に入手できる時代になったが、やはり「百聞は一見にしかず」である。
実は開幕前の1月下旬に会場を視察していた。骨組みがむき出しの建築物が多い上、大阪以外での認知度も低く「これで成功するのか」と懐疑的だったが、見る目がなかったようだ。「行ってみようか」と少し心が揺れている。(健)













