気象庁と内閣府による記者会見。「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表された=9日午前2時1分、気象庁
気象庁と内閣府による記者会見。「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表された=9日午前2時1分、気象庁

 聞き慣れない言葉に少し戸惑った。おととい深夜に青森県で発生した震度6強の地震を受け気象庁が発表した「北海道・三陸沖後発地震注意情報」。「北海道・三陸沖」ながら、対象は北海道から千葉の7道県182市町村と広い。非常時持ち出し品の常時携行など「特別な備え」が必要だ。

 聞き慣れないのは2022年12月の運用開始後、初の発表だから。巨大地震の発生可能性が平常時より相対的に高まっているという。過去の事例から「7日以内に地震の規模を示すマグニチュード(M)8級以上が起きるのは100回に1回程度」で確率は1%。この数字をどう捉えるか。

 物事のリスクの大小を測る尺度として「発生確率」がよく使われる。代表的なのが交通事故で死亡する確率。地震調査研究推進本部の報告書(2006年)によると、30年以内に交通事故死する確率は約0・2%らしい。

 原発取材を担当していた20年前、松江市内であった住民説明会で、国や電力関係者が原発の安全性を強調するため、こう話していた。「原発で甚大な事故が起こる確率は交通事故で亡くなる確率より低い」。だが東日本大震災の大津波に伴う福島第1原発事故で、原発の「安全神話」は崩壊した。

 冒頭の注意情報は、M9・0の東日本大震災の2日前にM7・3の前震が起きていたことなどから運用された。地震後の影響も踏まえると、1%は決して軽視できない。(健)