陸上でのカワハギの養殖場として生まれ変わった出雲市奥宇賀町の旧光中学校校舎に6日、約4千匹の稚魚が運び込まれた。カワハギは肝が美味なことで知られるが、天然物は市場に出回りにくい。関係者が真心を込めて250~300グラムまでの大きさになるまで育て、出雲から新鮮なブランド魚を全国へ届ける。  (出雲総局・藤原康平)

カワハギの稚魚を水槽に放つ関係者=出雲市奥宇賀町


 養殖に取り組むのは、建設業の昭和開発工業(出雲市西郷町)と、サバ(お嬢サバ)やヒラメ(白雪ひらめ)などの養殖を手掛けるなどノウハウを持つJR西日本の子会社・JR西日本イノベーションズ(大阪市)。

活魚車からカワハギの稚魚を運び出す関係者=出雲市奥宇賀町


 昭和開発工業の荒木克之社長(50)は、光中学校の卒業生。「廃校で地元が寂しくなっていたので何とか光を入れたい思いだった」と話す。海に面した土地柄を踏まえ、陸上養殖のアイデアを思いついた。JR西日本イノベーションズに協力を求め、廃校の活用策を市に提案した。

水槽に放たれるカワハギの稚魚=出雲市奥宇賀町


 養殖場は武道場だった360平方メートルを改装。2千匹が入る容量20トンの飼育用水槽を2基、3トンの予備水槽3基を設置した。来秋をめどに地元飲食店や関東、関西地方に出荷する。

カワハギの稚魚を水槽に放つ関係者=出雲市奥宇賀町


 天然のカワハギは肝が美味だが、鮮度を保つことが難しく、...