映画「高津川」をPRする錦織良成監督(左)や主演の甲本雅裕さん(左から3人目)ら=東京都港区、スペースFS汐留
映画「高津川」をPRする錦織良成監督(左)や主演の甲本雅裕さん(左から3人目)ら=東京都港区、スペースFS汐留

 益田市と津和野、吉賀両町を舞台に撮影し、11日から全国公開する映画「高津川」の舞台あいさつが2日、東京都内であった。新型コロナウイルス感染拡大により約2年の延期を経た念願の上映を前に、主演の甲本雅裕さんや戸田菜穂さん、監督の錦織良成さん=出雲市出身=らが作品に込めた思いを語った。

 映画は、人口減少が進む中、石見神楽の伝承を続けようと懸命に生きる高津川流域の人々の日常を描いた。2019年11月に中国5県で先行上映し、20年4月から9都府県での公開を予定していたが、コロナ禍で延期となっていた。

 舞台あいさつには約70人が詰め掛けた。主人公の牧場主を演じた甲本さんは、コロナ禍を踏まえ「いっぱいいっぱいになっている心に隙間を開ける可能性を秘めているのが(映画を作る)自分たちの仕事。アクションやサスペンス、恋愛の要素はなにもないが、『なんでもない』わけじゃない」と魅力を語った。

 錦織監督は「(高津川のような)きれいな川が残っていることは当たり前じゃない、と思って今日ここに立った。どうぞ応援してほしい」と話した。

 11日から、東京・新宿の新宿バルト9や出雲市大塚町のT・ジョイ出雲などで上映する。 (白築昂)