東京電力福島第1原発は2011年3月15日早朝、最大の危機を迎えていた。それは、日本という国家の命運をも左右しかねない重大局面だった。午前6時14分ごろ巨大な衝撃音と震動が現場を襲い、2号機の原子炉大破が疑われたからだ。そうなれば作業員は長期間退避せざるを得ず、必要な作業のために残った者に危険が及ぶ。また大量の放射性物質が東日本一帯に飛散し、首都圏の安全すら怪しくなる。

 「後に、4号...