春の味覚を代表する津和野町の特産・タラの芽栽培のパイオニア田中幸一さん(69)=津和野町商人=が第一線を退き、娘婿の矢〓(崎の大が立の下の横棒なし)陽一さん(45)が経営を引き継いだ。矢〓(崎の大が立の下の横棒なし)さんは「県内有数の産地化を成し遂げた義父の功績を継承し、品質本位の産地を目指したい」と先を見据える。
田中さんは35年前、中山間地農業の将来を見越し、サカキの栽培を手始めにタラの芽、ウルイを導入し県内有数の山菜の生産団地を形成。日原タラの芽生産組合の初代組合長を務め、自ら考案したタラの芽の促成栽培を進めるとともに研修生受け入れや新規就農者育成にも尽力した。林野庁や県から農業功労表彰を受けたほか2010年には山陰中央新報社地域開発賞も受賞している。
東京で通信機器の検査技師などをしていた矢〓(崎の大が立の下の横棒なし)さんは広島市出身で、田舎暮らしを志向し、15年に東京で開かれた「新農業人フェア」に参加。津和野町のタラの芽栽培を知り、16年に津和野にIターンして研修生として3年間の自営就農を行った。
その間、田中さんの指導を受けて栽培技術を習得し、3年前に田中さんの長女翔子さん(40)と結婚。義父とともに山菜の生産作業に汗を流す。出荷品目別に段階的に進めた生産者の名義変更が1年前に完了し世代交代を果たした。
田中さんが興した生産組合は今季、タラの芽10万パック(1パック50グラム入り)を出荷予定で販売額3千万円を目指す。
生産団地化を果たした田中さんは「新規就農して一から技術を習得した点が大きい。安心して経営を任せられる」と矢〓(崎の大が立の下の横棒なし)さんに信頼を寄せ、矢〓(崎の大が立の下の横棒なし)さんは「義父の大きな背中を目標に、少しでも近づけたらうれしい」と意欲を示す。
(青木和憲)













