14日のバレンタインデーを前に、山陰両県の百貨店で、チョコレート商戦が追い込みに入っている。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが広がり、各社は職場で配る義理チョコが減り、昨年に続いて自分へのご褒美として高単価商品への需要が高まると予想。来店者が専用の売り場でお気に入りの1箱を選んでいる。
1月下旬、JU米子高島屋(米子市角盤町1丁目)の特設売り場を訪れた米子市新開7丁目の会社員、岩敷里奈さん(23)は「最近は自分用のチョコを買う。年に1度しかないので思い切ってぜいたくしたい」と話した。特設売り場には日本初上陸の海外ブランドの高級チョコや、熟しすぎて廃棄予定となったバナナを使った環境に配慮した商品が並ぶ。コロナ禍での外食控えで売り上げが落ちた飲食店を応援しようと、市内のカフェがパフェを提供するコーナーを13日まで設ける。
鳥取大丸(鳥取市今町2丁目)は、海外など昨年より取り扱いを7ブランド増やした。食品部の小島健一朗営業三課長(54)は「仲のよい友人同士で高級チョコを贈り合う『友チョコ』の人気も堅調だ」とみる。
米子しんまち天満屋(米子市西福原2丁目)は、鳥取県琴浦町産のラズベリーを使用した出雲市のメーカーのホワイトチョコなど地元産の商品を推す。一畑百貨店(松江市朝日町)は1粒250円以上の高単価チョコの品ぞろえを昨年より2割増やした。冷蔵が必要な生チョコがよく売れているという。(岩垣梨花、金津智也)