投げたストーンの距離を伸ばそうとスイープする参加者=浜田市上府町、サン・ビレッジ浜田
投げたストーンの距離を伸ばそうとスイープする参加者=浜田市上府町、サン・ビレッジ浜田

 北京冬季五輪で銀メダルに輝いたカーリング日本女子の躍動のおかげで、山陰両県で唯一、本格的にカーリングを楽しめるアイススケート場「サン・ビレッジ浜田」(浜田市上府町)が再び注目されそうだ。新型コロナウイルス禍の影響による休館明けの22日に体験会があり、参加者は「氷上のチェス」と呼ばれる知的な競技の魅力に触れ「見るより、プレーする方が面白い」との思いを強くした。(青山和佳乃)

 リンクにストーンがぶつかり合う音が響いた。島根県外から30~50代の会社経営者ら9人が訪れ、島根県カーリング協会の野藤薫会長(67)ら2人の指導を受けながら、ショットやスイープに汗を流した。

 ストーンを投げる基本姿勢を教わってから、第3エンドまでのミニゲームに挑戦。全員初心者で、約40メートル離れたハウス(円)内にストーンを置くのに苦戦したが、相手ストーンをはじいて自分のストーンを思った場所に止める「ヒットアンドロール」など、好ショットも随所に見られた。岩井裕之さん(50)=東京都=は「投げるうちに力加減やストーンを回転させるこつをつかめた」と笑顔だった。

 折しも、サンビレッジのスケートリンクは今後の利用者数によっては廃止の可能性が浮上している厳しい状況にある。こうした中での五輪メダルは競技関係者にとっては好材料。愛好者を増やし、リンクの活性化につなげたいところだ。

 日本女子が7位だったトリノ五輪(2006年)をきっかけに競技者が目に見えて増え、銅メダルを獲得した平昌(ピョンチャン)五輪(18年)で面白さと奥深さが伝わったという。

 野藤会長は年齢、性別に関係なく楽しめるのがカーリングの魅力だと強調。サン・ビレッジ浜田で体験できることを知らない人が多いといい「まずリンクに足を運んでほしい」と話している。毎週土曜日の午後8時から10時まで競技者が練習しており、体験希望があれば受け付ける。営業は5月のゴールデンウイークまでの予定。問い合わせはサン・ビレッジ浜田、電話0855(28)1300。