大震災や異常気象、世界規模の感染症…。災厄に自由を奪われ、日常を支配されたとき、人はどうあらがえばいいのか。私たちにとってアルベール・カミュの小説「ペスト」の問いは切実だ。昨年、新訳(光文社古典新訳文庫)と「カミュ伝」(インターナショナル新書)を出版したフランス文学者で学習院大教授の中条省平さんに聞いた。

 ▽隠 喩 ...