島根県内の公立高校で1日、卒業式が行われた。新型コロナウイルス禍の中、感染者増加を受けて部分休校している松江、雲南両市内の学校では参加者を卒業生と保護者、教員に絞り、校歌斉唱は録音を流すなど対策を万全にした中で卒業生が学びやを巣立った。
2月26日から部分休校が続く松江南高校(松江市八雲台1丁目)では卒業生258人と保護者のみ出席。来賓の招待もPTA会長のみにとどめた。式場ではマスク姿の卒業生が3年間の思い出をかみしめながら点呼を受け、卒業生代表の野々内日向さんは「コロナに振り回され不安になる時もあったが、良い仲間に恵まれ濃密な日々を過ごせた」と感謝の言葉を述べた。
国歌と校歌は録音を流し、在校生は生徒会長のみが出席した。生徒会長の向原悠太さん(2年)は「他の1、2年が出席できずとても残念。送辞では、前例のないコロナ禍に立ち向かった先輩に対する在校生の感謝と尊敬の気持ちを代弁した」と振り返った。
三刀屋高校(雲南市三刀屋町三刀屋)では保護者の出席をそれぞれ1人に限定したほか、在校生は自宅から式の様子を動画で視聴する方式を取った。式後のホームルームも動画で配信し、保護者はスマートフォンやパソコンを通じて卒業証書を受け取る子どもの姿を眺めた。
他市町村の高校でも在校生や保護者の出席を制限するなどの対応を取った。県立高校では計4392人が卒業を予定している。
(中島諒)













