県都・松江市で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。1日に公表した2月28日確認分の130人のうち、市内在住の感染者数は70人と半数以上を占め、直近1週間の合計は288人で、共に2月中で最多だった。市は、家庭内に持ち込まれたウイルスが拡散しているとみて、注意を呼び掛ける。一方、学校現場では各校単位での封じ込めが機能しているとし、島根県が要請した市内一斉の休校措置は「現時点で必要ない」との認識を改めて示した。
2月28日時点で松江市の人口10万人当たりの1週間の感染者数は144・7人で、県の92・5人を上回る。2月1日~26日に市内で確認された感染者は計831人で、10代以下は35%。感染経路は家庭が54・4%と最も多く、学校などが19・5%、職場が14・8%と続く。
県が2月に認定したクラスター(感染者集団)42件中、16件が市内で発生し、このうち10件は保育施設や学校現場だった。
市は23日、県の一斉休校の要請に対し、教育や家庭への影響の大きさを考慮して、各校が個別に対処する考えを表明。1日時点で市内の小中など市立学校49校中、27校が学級や学年単位での閉鎖といった何らかの措置を講じたものの、児童や生徒同士でうつし合う状況にはないとの認識だ。
市教育委員会の成相和広副教育長は、学校内での感染が判明し次第、その日のうちに幅広く接触者調査を実施し、感染状況に応じて休校を判断する仕組みが機能しているとして「多くが家族から感染しており、半分弱の学校では1度も休校や学級閉鎖の措置をとっていない。一斉休校は必要ないという認識は変わらない」と述べた。
(佐々木一全、中村成美)













