雪山登山の注意点を記したポスターを紹介する谷口善正巡査部長=鳥取県八頭町郡家、郡家署
雪山登山の注意点を記したポスターを紹介する谷口善正巡査部長=鳥取県八頭町郡家、郡家署

 2月に鳥取、兵庫両県にまたがる氷ノ山(1510メートル)で男性1人が遭難した事案を受け、鳥取県警郡家署が、雪山登山者向けの啓発ポスターを作った。わかさ氷ノ山スキー場(鳥取県若桜町)などに掲示し、注意を促す。

 ポスターはA4判で2種。「装備は万全ですか?」「登山届は出していますか?」と問い掛ける。ゲレンデ外の区域(バックカントリー)を滑走する場合は予想できない危険があることを示唆し、遭難や滑落に気を付けるよう説く。

 遭難は2月6日に発生。若桜町側から1人でバックカントリースキーをするために登山した兵庫県在住の40代男性が遭難し、同7日に救助された。

 救助活動に参加した同署の谷口善正巡査部長によると、捜索中には吹雪などによるホワイトアウトで先が見えなくなったり、足跡が積雪で消えたりして方向感覚が分からなくなり、身の危険を感じたという。啓発の必要性を肌で感じ、ポスターを作った。若桜町に画像データを提供し、関係場所への設置協力を求めた。

 同署の中田昌弘管理官は「雪山登山は楽しいばかりでなく危険を伴うことを念頭に、引き返す勇気を持ってほしい」と話した。
     (岸本久瑠人)