写真スタジオで打ち合わせをする青戸裕司さん(右)と池田淳一郎さん=松江市美保関町片江、ゲストハウス「かたゑ庵」
写真スタジオで打ち合わせをする青戸裕司さん(右)と池田淳一郎さん=松江市美保関町片江、ゲストハウス「かたゑ庵」

 松江市美保関町片江のゲストハウス「かたゑ庵」が写真スタジオを新設し、写真撮影を売りにして宿泊客誘致に乗り出した。主なターゲットと考える訪日外国人客が新型コロナウイルス禍で激減。甲冑(かっちゅう)や和服を着たり、古民家を活用したゲストハウスや砂浜を舞台にしたりした撮影にも応じ、巻き返しを図る。(片山皓平)

 かたゑ庵は、ホームステイ受け入れなど30年以上の国際交流経験を持つ青戸裕司さん(65)=松江市上東川津町=が2019年8月、かつて住んでいた片江地区の民宿だった建物を改修して開設した。運営は地域との交流を重視。宿泊客に提供する料理は、地区の住民宅で住民と一緒に調理し「民食」と銘打ち、客にアピールしてきた。

 地区住民にも国際交流をしてもらおうと知人の外国人を中心に宿泊客を呼び込み、手応えを感じていたところ、20年春以降、新型コロナの感染が拡大し、外国人旅行者を中心に客が減った。

 「新型コロナでインバウンドは絶望的。民食にしがみついているとだめだ」と地域の景観を生かせる写真をテーマにした集客策を発案。20年12月ごろから、宿泊用の一室(約15平方メートル)を写真スタジオに改装するなど準備を進めた。

 知人のフリーカメラマン・池田淳一郎さん(41)=松江市古曽志町=が撮影をサポートし、希望に応じて地元の住民が着付けを手伝う。

 青戸さんは「思いがけない表情の撮影を目指したい。家族での撮影もいいし、自分を見つめるチャンスとして一人での利用もしてほしい」と話す。

 写真スタジオの利用料は1時間9800円。問い合わせはかたゑ庵、電話0852(55)8600。