障害のある人が学校や職場で培った技を競う第41回全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)の製品パッキング部門で、琴の浦高等特別支援学校(鳥取県琴浦町赤碕)生産流通科3年、山本愛斗(まなと)さん(18)が3位相当の銅賞に輝いた。銅賞以上は山陰勢では7年ぶり。山本さんは「取れると思っていなかったのでとてもうれしい」と喜びを口にした。
製品パッキング部門は二つの課題をこなし、仕上がりの良さや速さを競う。課題1は制限時間30分間で、緩衝材を10個組み立て、ひもで結束する作業を5回行う。課題2は制限時間60分間で、化粧箱を四つ組み立てて段ボール箱に詰める作業を4回行う。作業が速く正確で、仕上がり、片付けも良い点が好成績につながった。
小さい頃から模型などを組み立てるのが好き。校内予選が開かれることもあって各部門のうち製品パッキングに励むようになった。2020年の第40回大会では、県予選で3位にとどまって全国大会出場を逃した悔しさをバネに練習を重ねた。第41回大会では県予選で1位となり、21年12月に東京都内で開かれた全国大会に進んだ。
朝と放課後の時間を使って、過去に同じ製品パッキング部門に出場した卒業生の動画を見て学んだり、作業時間の配分を考えたりして本番に備えた。琴の浦高等特別支援学校では初の入賞者となり、牧田礼次郎校長(57)は「驚いたが、練習をとても頑張っていたので素晴らしい」とたたえた。
山本さんは卒業後、大手運送会社に就職する。引き続き競技への意欲を示しており「次は金賞を目指す」と力を込める。
(柴田広大)