新型コロナウイルスの感染者数が下がりきらないことを受け、島根県が16日、県立高校全35校と特別支援学校全12校の部活動を25日から31日までの1週間、停止すると発表した。春休み期間に合わせて部活動も取りやめることで、子どもたちを介した感染拡大を防ぐ狙いがある。県は、中学校やスポーツ少年団も同じ対応を取るよう県内の各市町村に要請し、松江市など6市町が応じた。残りの13市町村は練習試合禁止など独自に対策を強化する。
県の要請に応じ、中学校の部活動やスポーツ少年団の活動を停止するのは松江、出雲、益田、安来の4市と奥出雲、海士の2町。そのほかの市町村は感染状況が落ち着いているため、他校との練習試合禁止や土日の活動制限などで対応する。
県内の3月の1日当たりの感染者数は、100人前後で推移。居住地別の1週間の感染者数(人口10万人当たり、14日時点)は浜田市の46・2人に対し、松江市が166・3人、出雲市は142人と県東部での拡大が目立つ。
県が3月以降に公表したクラスター(感染者集団)31件のうち学校関係は5件にとどまるものの、子どもの感染が相次いでおり、年代別の1週間の感染者数(人口10万人当たり、14日時点)は18歳以下が219・8人で、全区分のうち唯一、200人を超える。県は春休み期間の前半、子どもの接触機会を減らし、新学期以降の授業や学校行事への影響を回避するため、部活動停止に踏み切った。
16日にオンライン会議を開き、丸山達也知事が市長会(会長・久保田章市浜田市長)と町村会(会長・下森博之津和野町長)に要請。市長会の久保田会長は「各市で感染状況に差があるため、浜田市など4市は活動そのものは行い、やり方にそれぞれ制限を加える」と説明した。
感染確認が相次ぐ松江市の上定昭仁市長は「東部では拡大が続き、春休みで行動の自由度も上がる。一歩踏み込んだ対応が求められるという点で、県と同じ認識を持っている」と述べ、県と同じ対応を取る考えを示した。
3月下旬に始まる全国大会に出場予定のチームや選手は、大会結果が進路などに影響しかねないため、対象外とする。県内の私立の中学、高校計13校に対しても県立高校と同様の措置を取るよう求める。
(佐々木一全)