石本正氏の生涯を紹介する横山由美子主任学芸員=松江市袖師町、県立美術館
石本正氏の生涯を紹介する横山由美子主任学芸員=松江市袖師町、県立美術館

 【浜田】浜田市三隅町出身の日本画家・石本正氏(1920~2015年)の企画展「生誕100年回顧展 石本正」(山陰中央新報社など主催、浜田市立石正美術館特別協力)に合わせ、石正美術館学芸員によるトークが11日、企画展会場の島根県立美術館(松江市袖師町)であり、来場者が石本氏の人となりや、作品に懸ける思いなどを学んだ。

 石正美術館の横山由美子主任学芸員が、石本氏の生い立ちを含め、日本画家としての歩みを振り返った。

 石本氏は戦後に前衛的美術団体「創造美術」に参加。女性美を追求し、体温や肌の質感が伝わるような舞子、裸婦の表現が注目された。

 横山主任学芸員は、こうした美の追求における作風の変遷にも触れ、舞子が題材の作品では、娘のあどけなさが感じられる初期の画風から、重量感が伝わる人体のリアリティーを求めた作品への変化を紹介。「着物を着飾る女性の内面の美しさを表現しようとした」と評した。

 企画展は舞子や鳥、花などを題材にした多彩な作品180点を並べた全国初の大規模回顧展。5月24日まで開催する。(中島諒)