任期満了に伴う鳥取市長選が20日告示され、現職と新人の2人が立候補した。両候補の横顔を紹介する。 (岸本久瑠人)
深沢 義彦氏(69歳、無所属現)
魚料理は「家族一」の腕前
「現場の感覚が自分にはある。新型コロナウイルス禍を何とかしたい」
大学卒業後の1978年に市役所に入り、配属された耕地課で現場主義を身に付けた。住民と近い基礎自治体の長として、手探りで続けた新型コロナ対応の経験を生かすことが必要だと自身を奮い立たせる。
妻、長男、次女夫婦と孫の6人暮らしで、多忙な公務の疲れを癒やすのは家族との時間。「おじいさんがやり過ぎるというのもちょっと」と控えめながら、生後10カ月の孫と遊ぶのが気分転換だ。
周囲からは「酒飲み」と称され、晩酌のつまみは自分で作ることも。漁師町・賀露で育ち、海産物の調理は「家族で一番」と自負。刺し身や煮付けにして家族と旬の食材に舌鼓を打つ。
多彩な趣味の一つがギター演奏。時代の流行に乗って中学生の頃、手に取った。90年代にスペインの名工に作ってもらったという数百万円の名器を愛用する。バッハなどの楽曲を弾き、子どものリクエストにも応える。
座右の銘は「道の道とすべきは、常の道にあらず」という中国の思想家・老子の言葉。世の中で良いとされる生き方が絶対ではないといった意味で、やり方を一つに決め付けない柔軟性は市政運営にも生きる。
鳥取市賀露町北4丁目。
塚田 成幸氏(58歳、無所属新)
ウサギと触れ合い癒やし
「住民の声が生かされていない」。事業者や市民から寄せられた思いを胸に、前回選に続き2度目の市長選に挑む。
子どもの頃は物静かな方で「選挙に出ると思った人はいないのではないか」と振り返る。1988年、鳥取医療生協の職場の先輩に誘われて共産党に入った。党の専従職員になった時点で、いつかは選挙に出るだろうと覚悟は固まった。
自宅で飼うウサギとの触れ合いが息抜き。なでたり、餌をやったりする。新型コロナウイルス禍で人同士の触れ合いが少ない中、ウサギの鼓動に生命力を感じ、癒やされるという。
早朝のラジオ体操とスクワット30回が日課。体重は1年前と比べ5キロ減ったが、痩せようと意識していたわけではない。体をきれいにすることが頭をすっきりさせることにつながると信じているからだ。
夫婦別姓の妻・市谷知子鳥取県議(54)との力関係は「わたしが野党、妻が与党」と例える。ただし家事は「共闘」。食器洗いや洗濯などをこなす。政治活動も共闘で、夫婦並んでの街頭演説はおなじみだ。
妻の影響でドラマを見るのも趣味の一つ。好きなのはどんでん返しの展開だ。現職相手の選挙でも妻と二人三脚で、どんでん返しを狙えるか。
鳥取市西品治。