20日に告示された鳥取市長選は、現職と共産党系新人という前回選と同じ顔合わせになった。現職の深沢義彦候補(69)が2期8年の実績と豊富な経験をアピールすれば、新人の塚田成幸候補(58)は住民の声が届いてないとして現市政を批判した。 (岸本久瑠人、藤井俊行)
深沢候補は自民、公明両党、連合鳥取など18団体が推薦し市議の大半が支持。出陣式に自民党鳥取県連の石破茂会長や連合鳥取の田中穂会長らが駆けつけた。
上杉栄一選対本部長は、市民の賛否が割れた市本庁舎新築移転を実現させ、地元に反対もあった県東部広域行政管理組合の新可燃物処理施設の完成にこぎ着けるなど、懸案を片付けた手腕を強調。「かじ取り役は、経験豊かな深沢氏でないとだめだ」と説いた。同県八頭町の吉田英人町長は麒麟(きりん)獅子舞を含むストーリーの日本遺産認定などを挙げ「県東部圏域を発展に導いた」と持ち上げた。
塚田候補は共産党が中心となり支持拡大を目指す。第一声には、本人が代表を務める、共産党や社民党県連幹部などでつくる市民団体のメンバーが出席した。
夫婦別姓で活動する妻で共産党の市谷知子県議は、コロナ関連の申請に出向いた事業者が市役所窓口で冷たくあしらわれたとして「市役所は立派になったが、足りないのは市民を思う気持ち。市民に温かい市政をつくらせてください」と援護。新社会党県本部の中宇地節雄書記長は「深沢氏は一人も取り残さないという言葉を好んで使うが、行政の支援が行き届かない市民がいる」と変革を訴えた。