山陰に桜前線がやって来る。各地にある「地元民しか知らない名所」を、地元観光協会などの協力を得て紹介する。最終回は鳥取県編。
「地元民しか知らない」桜の名所とは 島根編
山陰最古の水道施設で、国の重要文化財に指定される旧美歎水源地(鳥取市国府町美歎)のソメイヨシノ約70本が植えられたのは戦後だ。管理する保存会が近年祭りを開き、地域住民に知られるようになった。見頃は3月末から4月上旬。同時期の夜間にライトアップをする。

倉吉市小田の伯耆しあわせの郷(さと)は、しだれ桜の名所。120本が一斉に花開く。管理するしだれ桜の里を育てる会によると、規模は日本最大級。1993年の施設開所に合わせ植えた。八重桜を中心に、色の違いなど4種類が楽しめる。ソメイヨシノ50本もある。3月末に開花し、2週間ほど見頃が続くという。

大山町豊房の県道30号線の両側に並ぶ500本の桜の木が、春の訪れとともに視界をピンクに染める。品種はソメイヨシノが大半で八重桜なども一部ある。見頃は3月下旬から4月上旬だが、標高300メートルで平地より少し遅い。桜並木と雪が残る大山を1枚に収められる構図が写真愛好家に人気だ。
