第四章 正月の待ち人(25)

「信(のぶ)彦(ひこ)さんに、何かあったのかな……?」

 麻(ま)世(よ)ちゃんは眉を寄せる。

「よし、取りあえず見てくるよ」

 僕は訪問診療車の鍵を取った。

「待...