起業し、夢のサイクルショップを開店させる金沢純さん=鳥取県江府町江尾
起業し、夢のサイクルショップを開店させる金沢純さん=鳥取県江府町江尾

 自転車の中国地域ロードレース鳥取県代表など数々の実績を持つ金沢純さん(44)=米子市尾高=が起業したサイクルショップが8日、鳥取県江府町江尾にオープンする。バス会社を辞め、長年温めてきた夢を実現させた。レース経験を生かし、国立公園・大山のツーリングガイドも行う。「自転車の魅力を発信し、幅広い年代の健康サポートをしたい」と意気込む。
 岡山県倉敷市出身で、結婚を機に米子市へ。26歳の頃に挑んだ皆生トライアスロン大会で自転車競技の面白さに目覚め、のめり込む。2020年にタイであったトライアスロン大会で好成績を収め、23年にフィンランドで開かれる世界選手権エイジ日本代表の出場権を得た実力者だ。
 起業は5年前から計画。市内で空き店舗探しに奔走したが見つからず、江府町商工会から紹介された物件にたどり着いた。
 JR伯備線江尾駅に隣接する店舗「Ricco Cycle(リコーサイクル)」はプレハブの旧待合所。仕事の合間を縫って2月から自力で大幅改修し、スポーツタイプの自転車や各種部品など商品を並べ、開店に備えた。
 競技仲間から贈られた県代表ジャージーを飾った店舗では商品販売や整備、パンク修理、電動レンタルサイクル、サイクルガイドを提供する。起伏に富んだコースがある大山エリアの魅力を伝えるほか、競技者や初心者らの相談に応じる。
 「大山山麓の江府町はロケーションが最高で、整備された道は車の交通量も少なく安全。ロードレースなど観光とサイクルを融合させたイベントも開催したい」と熱く語る。イタリア語で豊かさを表す店名の「Ricco」。アスリートは新たな人生のスタートラインを踏み出す。(山根行雄)