伊藤若冲の日本画を西陣織で再現した掛け軸を紹介する岩崎圭祐さん=益田市有明町、島根県芸術文化センター・グラントワ
伊藤若冲の日本画を西陣織で再現した掛け軸を紹介する岩崎圭祐さん=益田市有明町、島根県芸術文化センター・グラントワ

 江戸時代に京都で活躍した画家・伊藤若冲の日本画を、精緻な西陣織で再現した「西陣美術織」の作品展が8日、益田市有明町の島根県芸術文化センター・グラントワで始まった。12色の糸を織り交ぜて浮かび上がらせた「老松白鳳図」や「旭日雄鶏図」など代表作が並び、高度な職人技が来場者を魅了する。入場無料、11日まで。

 西陣美術織は、時代の変化とともに帯などの生産数が落ち込む中、伝統技術を伝えるため、職人らが美術との融合に着目し2016年から制作した。会場には赤や水色などの糸を細かく織り、若冲独特の鮮やかな色彩で動植物を生き生きと表現した約50点を展示。織機を改良して作るため、作品の幅は帯と同じという。

 西陣織職人や関連事業者でつくる西陣美術織若冲全国巡回展実行委員会(京都市)が主催。実行委メンバーの岩崎圭祐さん(57)は「再現度の高い職人の精緻な技術を見て、西陣織の魅力を感じてもらいたい」と話し、来場を呼び掛けた。

  (藤本ちあき)