地域防災の訴えに力を込める立候補者=松江市島根町
地域防災の訴えに力を込める立候補者=松江市島根町
松江市島根町加賀の火災現場
松江市島根町加賀の火災現場
地域防災の訴えに力を込める立候補者=松江市島根町 松江市島根町加賀の火災現場

 松江市島根町加賀で1日に発生した大規模火災をきっかけに、地域防災の在り方が松江市長選(18日投開票)の論点に浮上した。地震や水害を含め、災害対策は待ったなしの市政課題で、3候補が被災者支援の拡充や消防団の態勢強化に向けた訴えを強めている。

 告示3日目の13日午後、火災現場から約1キロ離れた街頭で無所属新人の上定昭仁候補(48)が「防災には地域の団結力が一番重要だ」と声高に訴えた。

 出火当時、集落では住民が声を掛け合って避難し、人的被害は最小限に抑えられた。しかし、市中心部の新興住宅地などでは自治会未加入の世帯が増加。さらに地域防災の中核を担う自主防災組織も約3割の自治会が未結成だ。このため、市主導による地域のまとめ役人材の育成と若者の消防団加入の促進を約束する。

 被災後の支援策を重視するのは共産党新人の吉儀敬子候補(70)。火災現場近くで12日午前にマイクを握り「被災された皆さんの生活再建をしっかり果たす」と聴衆に呼び掛けた。

 公約には火災から一夜明けた2日に現地入りした陣営幹部が被災者から聞き取った要望内容を反映した。住宅被害を受けた人に対する生活再建の支援金が現行の上限300万円では不十分だと判断。500万円に引き上げ、市の公共事業予算を災害対策費に重点配分することを盛り込んだ。

 「市が率先して防災力の向上に取り組み、市民の自助、共助につなげる」と主張する無所属新人の出川桃子候補(43)は、日頃の備えの大切さを唱える。

 地域防災には消防団員の存在が欠かせないが、1人当たりの報酬が月額換算で約2700円にとどまることを問題視。処遇改善を通して団員の確保を進める考えを示す。地震発生時の円滑な避難を可能にするため、建物ごとの倒壊危険度と道がふさがれた際の代替避難路を示すマップ作製も急務だとする。

 加賀の火災は1日夕に発生した。強風にあおられて燃え広がり、漁業集落の32棟を焼いて約22時間後に鎮火。住民や消防職員、消防団員の4人がけがをした。火元や出火原因はまだ特定されていない。

 (片山大輔、佐々木一全、中村成美)