国境は線ではない。それを感じたかったら海岸「線」に行ってみればいい。海岸線にあるのは、砂粒や石ころ、たくさんの生物や植物、そこで生業を営む人々、砂浜で遊ぶ子どもたち。線に見えるそこには、場所があり、動植物、人間の暮らしが営まれている。

 戦争は、国と国との線を巡る争いだ。しかし海岸線と同様に、国境にも暮らしがある。ところが...