鍛鉄のフライパン「鍛月」。持ち手の違いで「MAGE」(左)と「TUKA」の2種類ある=安来市広瀬町布部、鍛冶工房弘光
鍛鉄のフライパン「鍛月」。持ち手の違いで「MAGE」(左)と「TUKA」の2種類ある=安来市広瀬町布部、鍛冶工房弘光

 鍛冶工房弘光(安来市広瀬町布部)の新作で、鍛鉄のフライパンが2万円超の価格にもかかわらず、人気を呼んでいる。インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)で通信販売を試みたところ、3週間で100個近い注文が舞い込んだ。鍛造でできる凹凸が味わい深く、そのまま卓上に出せるデザインも好評。近隣のこだわり食材の調理を楽しむイベントも構想を膨らませる。

 月面に似た模様から「鍛月」と名付けたフライパンは工房の職人、小藤宗相(しゅうすけ)さん(51)が考案した。工房は主に燭台(しょくだい)や風鈴など装飾品を手掛けており2020年春、客の要望でフライパンを作ったのが発端。改良して今春、新作に仕上げた。板厚2・8ミリで持ち手が曲げ加工の「MAGE」(2万4200円)、板厚2ミリで持ち手に籐(とう)を巻いた「TUKA」(2万3100円)の2種類あり、ともに直径20センチ。

 熱した鉄をたたいて手作りするため一つ一つ模様が異なり、模様によって食材に適度な焦げ目が付く。顧客の例では、シフォンケーキに焦げ目を付けて出すカフェがあるほか、トースターよりカリッと仕上がると食パンを焼く人もあるという。

 CFサービス「マクアケ」で3月23日から通販を始め、今月15日までに97個の注文が入った。CFは29日まで。小藤さんは売れ行き好調について、工芸品でありながら日用品として日々手に取り、鉄を感じられる点が魅力でキャンプブームも追い風だと分析。「さまざまな商品があり飽和状態のフライパンでも、こだわって作れば市場はある」と手応えを口にする。

 夏ごろには一般販売開始を予定。秋ごろには奥出雲和牛、雲南市産のこだわり卵やイノシシ肉のソーセージなど近隣の食材を鍛月で焼いて楽しむイベントを開こうと構想する。
      (桝井映志)