【松江】松江市島根町加賀の漁業集落火災で被災した同級生の男性を元気づけようと同町大芦の会社員高井裕都さん(22)が思い出の詰まった小学校と高校の卒業アルバムと、同級生に募った見舞金を届けた。
島根町では保育園から中学校まで一緒に通うことが多く、同級生のつながりが強い。社会人になっても半数近くが地元で暮らす。火災で被災した男性とは高校まで同じ学校で学んだ仲。「早いに越したことはない。こういう時こそ助け合いたい」と同級生24人と連絡を取り、アルバムと見舞金を渡すことを決めた。
卒業アルバムを選んだ理由は、10年ほど前にも火災で自宅が燃えた同級生に、中学校のアルバムを届けた経験があったため。松江市内の写真館に事情を話すと、保存用を快く提供してくれた。
高井さんは同級生3人と一緒に火災後、町外に住まいを移した男性に島根小学校と松江工業高校のアルバムを渡した。男性は「すごく楽しみにしていた。本当にありがとう」と笑顔を見せたという。高井さんは「火の手が早く大変だったと思う。体の無事が一番だ」と励ました。(森みずき)