12人の宇宙飛行士が月面に降りた米国のアポロ計画から半世紀、再び月を目指す国際探査計画「アルテミス」が今年始まる。新しい大型ロケットの試験飛行を幕開けに、月面着陸、持続的な探査、将来は火星探査にも挑む。参加する日本も飛行士を新たに募った。技術開発や費用などの課題を乗り越え、人類の活動領域を広げることができるか―。

 今年3月、米フロリダ州のケネディ宇宙センター。アポロ計画のロケット「サターン5」やスペースシャトルにも使われた組立棟から高さ98メートルのロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」が現れた。赤い胴体の頂を見上げれば、宇宙船「オリオン」が白い輝きを...