竹島(島根県隠岐の島町)と島根県・隠岐諸島の住民らとの関わりを調べる日本国際問題研究所(東京都)の関係者が16日、隠岐の島町内を視察した。調査成果を情報発信するため、竹島ゆかりの場所を巡り、住民らと意見交換した。
調査は2018年から、島根大法文学部の舩杉力修准教授(歴史地理学)に委託して行い、竹島漁猟の子孫の証言動画公開や、白島海岸(隠岐の島町西村)のアシカ猟が竹島漁猟につながった歴史、都万や西郷地区に残る関係者の足跡を明らかにしてきた。
永瀬賢介研究調整部長ら2人が舩杉准教授の案内で久見竹島歴史館(同町久見)や竹島漁猟合資会社があった同町港町を巡った。
竹島漁猟開拓者とされる石橋松太郎(1863~1941年)の孫で証言に協力した佐々木恂さん(87)=隠岐の島町原田=宅では「竹島は日本の領土、島根の財産。一人でも多くの人に分かってもらうため未来に発信して」との訴えに聞き入った。
五箇地区では住民から、竹島漁猟関係者の子孫が高齢化し、伝え聞いた話を継承するのが難しくなっている現状を聞いた。
永瀬部長は「貴重な調査成果をホームページや英字季刊誌を通じて国内外に発信したい」と話した。(森山郷雄)