資本主義はもう限界―。そんな表現はいまや陳腐に聞こえるほど方々で語られている。そうであるならば、資本主義社会に代わるべき社会の在り方はどんなものであるか。この問いに答えることの困難さこそ、現代の苦悩の核心にあるものだ。だが私たちは、そこから逃げることは許されない。

 回答の方向性は二通り出てきているように思われる。ひとつは...