【飯南】アイガモのひな約80羽が、島根県飯南町頓原の水田で、米作りの出番を待っている。アイガモを水田に放つと、雑草や害虫を食べるため、農薬や化学肥料を使わずに稲を育てることができる。
ひなは、うやま農園の宇山智明(ちあき)さん(66)が飼育する。水田で訓練していて、体長13センチほどのひなたちがピィピィと鳴きながら元気に泳ぎ回る。宇山さんが缶をたたき音を出すと、隣接する小屋へ戻る。
宇山さんは化学肥料で手が荒れたことをきっかけに15年前、アイガモを利用するアイガモ農法を始めた。
通常の栽培と比べ、収穫量が少なく、獣害対策の手間もかかるが「おいしいと言ってくれるお客さまのために」と、続けている。
宇山さんは、ひなたちのかわいらしい姿に毎日癒やされていると言い「頑張って働いて、おいしいお米を育ててもらいたい」と期待した。15日はアイガモを水田に放つ「入田式」を予定する。 (山本泰平)