益田市内の小学生に解説するガイド(左端)=大田市大森町、石見銀山遺跡(2020年9月)
益田市内の小学生に解説するガイド(左端)=大田市大森町、石見銀山遺跡(2020年9月)

 都会地で新型コロナウイルスが収束しない中、島根県内の学校が修学旅行で世界遺産・石見銀山遺跡(大田市)を訪れる傾向が2021年度も続きそうだ。感染を警戒し、県内に行き先を変更する流れが続いているのが理由。「来訪ラッシュ」が続き、4月以降も予約が相次ぐ「石見銀山ガイドの会」は魅力を伝えようと意気込む。  (錦織拓郎)

 ガイドの会が20年度に案内した修学旅行の一行は、例年の約4倍に当たる80校で、このうち65校が県内の学校だった。

 ワクチン接種のスケジュールが不透明でコロナ収束の見通しがつかない中、こうした県内回帰の動きは21年度に入っても続いている。4~6月に同会へ案内を申し込んだ12校のうち7校は県内という。20年度同期は新型コロナが拡大するさなかで、ほとんど予約がなかったといい、県外校の回復に加え、県内校が増えている。

 20年度の行き先を広島県から県内に変更し、11月に石見銀山を訪れた浜田市立旭小学校(浜田市旭町丸原)は、21年度も再訪を検討する。

 細川寿俊校長は「大事なのは旅行で何に重きを置くか」と指摘し、平和学習の地である広島訪問の代替として「歴史学習の場として捉えれば、県内であっても児童が行った機会が少ない場所を訪問することは有意義。地元の文化を知ることにもつながる」と述べた。

 同じく行き先を広島県から変更し、9月に銀山を訪れた益田市立高津小学校(益田市高津1丁目)。中尾瑞紀教頭はコロナ対策もさることながら、「地元(益田)に関連する歴史を学ぶ素材は県内にこそ多い」と説く。

 銀山の史跡・文化には県内の他地域と共通する内容もあり、ガイドの会では訪問校の地元と関連付けた説明でより関心を高め、親近感を抱いてもらおうと工夫する。公開坑道の間歩(まぶ)など3密になりやすい箇所の案内では児童生徒の距離を保ち、感染対策を十分に取りながら、遺跡の価値や魅力を伝えるよう努める方針。

 ガイドの会の安立聖会長(74)はコロナ禍を受けた修学旅行の増加に、「子どもたちが郷土の魅力を見直すきっかけになればいい」と話す。