ロシアのウクライナ侵攻は、北方領土問題を巡る日ロ対話の断絶を招いた。日本の制裁にロシアが反発したためだ。ただ日本政府内では、安倍晋三元首相の時代から「強権的なプーチン大統領が領土で譲るはずはない。交渉は行き詰まる」（政府筋）との観測が漏れていた。返還意思を欠くプーチン氏の腹を読み違えたまま、首脳対話を積み重ねた日本。事態打開への道は閉ざされた。
「プーチン政権が存在する限り、交渉は動かない」。対ロ外交に携わる政府筋は断言する。ロシアは３月２１日、日本側が北方領土交渉と位置付ける平和条約締結交渉の中断を発表。北方四島...
