戦争や疫病、国家をはじめとした集団の暴挙に対した時、個人は無力だ。「これが運命」と諦めそうにもなる。作家の古川日出男さんは語りの力で読者を励ます。新作「曼陀羅華(まんだらげ)X」(新潮社)は27年前の春、東京の地下鉄にサリンがまかれるなどした一連の事件を題材に、物語によって現実を凌駕(りょうが)しようともくろんだ。
ぬれぎぬを着せられた人。他...
戦争や疫病、国家をはじめとした集団の暴挙に対した時、個人は無力だ。「これが運命」と諦めそうにもなる。作家の古川日出男さんは語りの力で読者を励ます。新作「曼陀羅華(まんだらげ)X」(新潮社)は27年前の春、東京の地下鉄にサリンがまかれるなどした一連の事件を題材に、物語によって現実を凌駕(りょうが)しようともくろんだ。
ぬれぎぬを着せられた人。他...