創業30年を迎え「感謝の気持ちを伝えたい」と話す井上羊二さん=松江市浜乃木6丁目、ひょうたん
創業30年を迎え「感謝の気持ちを伝えたい」と話す井上羊二さん=松江市浜乃木6丁目、ひょうたん

 松江市浜乃木6丁目のすし・小料理店「ひょうたん」が28日に創業30周年の記念イベントを開く。店主の井上羊二さん(67)は50代の時に症例の少ないがんを患い、克服。この2年余りは新型コロナウイルスの感染拡大という危機を経験し、当日は店を支えてくれたなじみ客らに感謝の思いを込めてもてなす。

 井上さんは18歳で寿司職人の世界に飛び込み、バブル景気の余韻が残る1992年に独立。地域に定着しバリバリと働く中、10年前に胸の皮下に見つかったのが進行の速い軟部肉腫だった。大学病院で抗がん剤治療と外科手術を受け半年間の入院を余儀なくされたが、幸いに転移はなく、一命を取り留めた。

 ただ、その後も多難で新型コロナは他の飲食店と同様に経営を直撃。常連客や地域団体の利用で難をしのいでいる。記念イベントは入居ビルが近く解体され、店舗を松江市八幡町に移転するのを踏まえて催すことにした。

 当日は店舗前で餅つきのほか、ビルの空き室で安来節の公演を開催。紅白餅などを振る舞い、感謝の意を伝える。井上さんは「多くの支えで30年間やってこれた。少しでも楽しんでもらえたらうれしい」と話している。
      (勝部浩文)