
―冷凍魚の輸出に力を入れています。
アジ、サゴシ、ブリ、カワハギなど20種類の取り扱いがあり、最も多いのがサバです。浜田港だけでなく四国、九州、遠方では北海道で水揚げされた魚を仕入れることもあります。魚はサイズなどで選別し、食用、缶詰用、釣り餌用などとして販売します。国内向けが2割、残りは輸出で主な取引先はエジプトやベトナムです。千㌧単位でまとまった数量が出るのが輸出の良さです。
―自社で大型の冷蔵庫を整備しています。
社屋を構える水産加工団地内に三つあり、全て合わせた収容能力は公称8千㌧です。魚は投機性が高いため、冷蔵庫があることで仕入れ値よりも高い時期を待って売ることができます。自社では冷蔵でマイナス25~30度、冷凍でマイナス30~35度の低温を保つよう厳しく温度管理をしており、最長で2年近くも魚の品質を維持できます。メンテナンスの手間が少なく自社の太陽光発電も活用できることから、5年前に全て電気製に切り替えました。

―地元の小学生の見学を多数受け入れていますね。
70人で来社してくれたこともあります。社業などについて説明しますが、一番興味を持ってもらえるのが冷蔵庫の見学です。冷凍魚に触ったり匂いを嗅いだりする児童もいます。国内では若い世代を中心に魚より肉を好む人が増えていると感じますが、会社見学で水産業に関心を持ってもらい魚食の普及につながることを願っています。
―2025年は創業70周年を迎えます。
7月に関係者を集めて神事を行う予定です。近年は、魚の価格高騰による消費者離れや電気代、物価高騰などにより苦しい局面が続いていますが耐え忍びたいです。水産資源はまだ枯渇しないと思います。自社の長年の持ち味であるネットワークや情報力をフル活用し、今後も鮮度感など品質を確認した上で、よい魚をより安く仕入れて加工業者や海外に販売していきたいです。


「若者よ、大志を抱け」1度しかない人生、自分のやりたいことをやればいい。
今の話は仕事の話で、世間に迷惑をかけては絶対にいけない。しかし自分がこの仕事をやりたいと思うのであれば、最低でも10年は続けること。そしてその仕事のエキスパートになることです。

福田稔=島根県江津市出身(65歳)1990年に現職に就任。
1984年、家業の水産会社に入社。今年弊社は創業70周年を迎える。昨今の地球沸騰化による漁獲の減少が気がかりである。趣味は食べ歩き・ドライブ。













