
ー2025年の経営方針で「強い店づくり」を掲げていますね。
人口減少と高齢化で消費者の購入量は減る一方、ドラッグストアを含めた小売り店舗は増えています。その中で生き残るには「消費者ニーズにいかに応えられるか」が重要です。品ぞろえの豊富さに加え、簡便・時短の視点が求められています。簡単、便利で時間短縮にもつながる商品に対応できなければ、「この地域から退場せざるを得ない」という危機感があります。徹底してお客さまに寄り添える店づくりを考えています。
ー生産性の改善に取り組んでいます。
店舗業務の中には見直しができる作業がかなりあります。従業員には、現状維持ではなく「その作業は本当に有効か」「改善の余地はないのか」を考えてほしいと伝えています。例えば、「自分は揚げ物しかできない」と思うのではなく、それぞれができる仕事の幅を広げてほしいと考えています。そこで、25年は従業員に向けて「変化と進化、行動を変える」をテーマに掲げました。

ー昨年5月に米子市の両三柳店が新規オープンしました。今後の店舗戦略を教えてください。
米子地区で店舗のリニューアルを行うととも共に、営業力の強化を図ります。
ー人材育成や人手不足への対策は。
小売業に従事する人を対象にしたスーパーマーケット検定や、食品表示検定の受検を従業員に積極的に呼びか掛けています。合格すればもちろん、評価が上がります。人手不足対策として、昨年から髪の色など身だしなみの緩和に取り組んでいます。採用面でも自由度の高さをアピールしています。
ー食を通じ、地域の健康と文化への貢献を目指しておられますね。
生活習慣病は食生活と密接に関係しています。栄養面に配慮した品ぞろえを推進するとともに、地域の食文化を守り、新たな価値の創造に向け、商品開発力を高めたいという思いを強くしています。


私たちが扱うのは衣食住で一番重要な「食」で、今や人々の最大のコミュニケーションツールになりました。食材販売を通じて人々と密着できるスーパーは、大げさに言えば、これからの食文化をつくっていく場でもあります。食に興味があり、チャレンジ精神のある若い方はぜひ、私たちと一緒に文化をつくっていきましょう。
澁谷 仁志=鳥取県境港市出身(51歳)1996年に入社して長年、商品開発に携わり、2022年4月より現職に就任。
食にこだわりがあり、食べ比べもよくします。休日にはスーパー巡りをして過ごし、仕事のヒントをつかむこともあります。趣味の読書は歴史物が中心です。
