慎重に道路を横断する大道進一さん=境港市内
慎重に道路を横断する大道進一さん=境港市内

 鳥取県警が交差点での視覚障害者の横断をサポートする新システムを導入する。交差点が近づくと、専用アプリをインストールしたスマートフォンから音声などで信号の色を伝える。全国では視覚障害者の横断事故も発生しており、安全の確保を期待する。導入は山陰両県では初めて。

 具体的な場所は今後詰めるが、本年度中に県内2カ所の交差点で導入する。

 新システムは「高度化PICS」と呼ばれ、信号機と歩行者のスマホを近距離無線通信「ブルートゥース」でつなぐ仕組み。専用のアプリを起動して交差点に近づくと、信号の色や切り替わりなどの情報を音声や振動で本人に直接通知する。

 通常、人通りの多い交差点にある「ピヨピヨ」「カッコー」などの誘導音で信号の色を伝える視覚障害者向けの「音響式信号機」は、近隣住民に配慮し、ほとんどが夜間・早朝に鳴らない設定で、鳴動時間外での死亡事故も起きていた。

 日中でも時間帯によって騒音で誘導音が聞こえないケースがあり、緑内障で約15年前から目が見えない大道進一さん(81)=境港市芝町=は「視覚以外の全ての感覚を総動員して歩道を渡っている」といい、「新システムは自分たちの味方になる」と歓迎する。

 鳥取県警によると、システムは2020年度末時点、全国5県警で約140カ所に取り入れられているという。

 現在、島根県内での導入はない。
      (坂本彩子)