■シベリアの鎮魂

 画家の香月泰男(1911~74年)の「シベリア・シリーズ」は、戦争と旧ソ連抑留の過酷な体験をモチーフにしている。生誕110年に合わせ、昨年から今年5月末まで東京などで展覧会が開かれた。印象に残った作品に「涅槃(ねはん)」がある。

 香月は45年11月から半年間、セー...