出雲市大社町菱根の島根ワイナリーで16日、今季のワインの仕込みが始まった。島根県産のデラウェアの果汁を40日間ほど熟成させた新酒は、8月上旬に発売する。
市内で生産された2・3トンを社員が圧搾機に掛け、果汁をたるへ注いだ。初仕込みの量は昨年のほぼ半分で、加温栽培に欠かせない燃油の価格高騰などにより単価の安い加工用の出荷が減ったという。
今季のデラウェアは糖度20~23度と上々で、8月までに県内産60トンを集荷して720ミリリットル換算で6万本分を醸造する。
売上高は外食需要の減少で落ち込んだが、同社は新型コロナウイルス禍前の2019年度比7割への回復を目指す。新藤正人社長は「大社観光の一翼を担っていけるように生産者とともにおいしいワインを作りたい」と話した。
(佐野翔一)