天井からつるされた自身の作品を紹介する野村康生さん(中央)=益田市有明町、島根県立石見美術館
天井からつるされた自身の作品を紹介する野村康生さん(中央)=益田市有明町、島根県立石見美術館

 国内外で活躍する島根県西部出身のアーティスト2人の企画展「平川紀道・野村康生 既知の宇宙/未知なる日常」(県立石見美術館、しまね文化振興財団、山陰中央新報社主催)が2日、益田市有明町の県立石見美術館で開幕する。1日は内覧会があり、平川さん(39)と野村さん(42)が作品への思いを語った。 (中山竜一)

 浜田市出身で札幌市を拠点とする平川さんの3点、益田市出身で米ニューヨークで活動する野村さんの1点、共同制作の1点を展示する。いずれの作品も3月以降、2人が石見部に滞在して仕上げた。

 共同制作は重力をテーマに、180センチ四方の「グリッド」と呼ばれる立方体の天井から多数のひもを引っかけ、垂れ下がる様子を映像に収め、暗がりで上下逆さまに投影した作品。来場者が別のグリッドにひもを引っかけて作品を作ることができる。

 平川さんが出品した3点はコンピュータープログラミングを駆使した映像・音響作品で、野村さんは高さ7メートルの天井からつるした直径10メートルのドームと虹色に輝く構造物を展示した。

 平川さんは「幼少期を過ごしたところで作品を作るのは緊張感があった」と振り返り、野村さんは「ドームは地球を表した。1人で見たときとみんなで見たときに、印象が異なる作品を制作した」と解説した。

 8月29日まで。開館時間は午前9時半~午後6時(入館午後5時半まで)。毎週火曜休館。入館料は一般千円、大学生600円、小中高生300円。未就学児無料。