寄贈されたランドセルを整理するゾーンモド市派遣の交流支援員のノミン・エレデネさん(右)ら=鳥取県日南町霞、町役場
寄贈されたランドセルを整理するゾーンモド市派遣の交流支援員のノミン・エレデネさん(右)ら=鳥取県日南町霞、町役場

 モンゴル中央部・ゾーンモド市と友好交流する鳥取県日南町が、現地の子どもたちに不要になったランドセルを贈る運動を展開している。軽く、丈夫で、収納性にも優れた通学かばんは、畜産・放牧が盛んな市の児童たちの憧れの的。9月の新学期に合わせて目標の50個を集めて送る。 (山根行雄)

 町内の旧保育園舎を活用し白谷(しろいたに)工房を構える寄せ木細工職人、中村建治さん(47)=日南町福栄=が息子が使っていたランドセルの活用を願って打診したのがきっかけ。

 ゾーンモド市から派遣されている町交流支援員のエレデネジャブ・ノミン・エレデネさん(34)が仲介役となり、6月初めから寄贈を受け付け、今月5日までに町内外から23個が集まった。中には「愛着があって処分できなかった。協力したい」と持ち込んだ保護者もいた。

 ノミン・エレデネさん自身も9年制の義務教育学校に通っていた頃、親友が日本で働く父親から贈られたランドセルを背負い通学する姿に驚き、憧れた。「現地の子どもが使うのはナップザック。教科書がたくさん入り、背負いやすいランドセルは便利」と言う。

 人口約1万7千人のゾーンモド市には義務教育学校が3校あり、約2千人の児童や生徒が通う。市を通して新入生などに贈る計画で、町企画課の田辺良太主事は「町が推進するSDGs(持続可能な開発目標)の一環でもあり、継続的な運動にしたい」と話す。

 募集は21日まで。ランドセルにはメッセージを添える。問い合わせは町企画課、電話0859(82)1115、ノミン・エレデネさんまで。