丹念に織られた着物に見入る来場者=倉吉市仲ノ町、倉吉博物館
丹念に織られた着物に見入る来場者=倉吉市仲ノ町、倉吉博物館

 【倉吉】「伯耆しあわせの郷織物教室三十周年展」が倉吉市仲ノ町の倉吉博物館で開かれている。受講生と修了生計69人が織った着物やタペストリー、帯の力作71点が並び、来場者の目を引きつけている。入場無料。10日まで。

 教室は県無形文化財である「絣(かすり)」の保持者、福井貞子さんが講師を務め、1993年から開いている。初級と特別の2クラスがあり、受講生が糸紡ぎやデザイン、機織りといった制作工程を学び、作品づくりに励んでいる。

 会場に展示された福井さんの着物「鳴り砂の造形」は、日本伝統工芸展の入選作品で、精巧なデザインが光る。古川春美さんが制作した着物「祈り」は手すき和紙を織り込んだ労作で、美しいハスの柄と多彩な色合いが目を引く。

 米子市久米町、無職石賀保正さん(76)は「絣といえば藍色と白色が伝統的だが、固定観念を打ち破るような、いろいろな色合いやデザインの作品があって驚いた」と話した。

 (福間崇広)