隠岐の島町が2021年度、継続的に島を訪れる「関係人口」づくりに本腰を入れる。島内で定住や起業を目指す人を支援する交流拠点を新たに開設。隠岐ファンに情報発信する会員制度も創設し、結び付きを強めながら将来的な移住定住者の獲得につなげる。(森山郷雄)
交流拠点は、地域おこし協力隊が常駐し、移住や就業の相談、支援をワンストップで担う。地域資源を活用したビジネス創出や島内の事業者とのマッチングを行い、特定地域づくり事業協同組合とも連携。役所や各団体が担う定住・創業支援事業を一体的に紹介できるようにする。
当面は町役場(隠岐の島町下西)に置くが、22年度以降は西郷港フェリーターミナル(同町中町)近くに移転し、島の玄関口を拠点にする。将来は町の運営から切り離し、関係人口事業などを通じて収益を得る独立組織にしたい考え。
会員制度はSNS(会員制交流サイト)で情報発信する以外に、来島時の特典も付与して隠岐ファンの囲い込みを強化。離島観光のリピーターや隠岐の島ウルトラマラソンの参加者、島民とつながりを持つ人に登録を呼び掛ける。
町は関係人口創出事業で使用するロゴを全国公募し、隠岐ファンと島民が縁を結ぶデザインに決定。島内外で事業を強化しながら、町総合振興計画に掲げる24年のU・Iターン者250人の実現を目指す。池田高世偉町長は「これまで培った隠岐ファンとの交流を定住に結び付ける取り組みにしたい」と話した。