山陰両県で大雨による浸水被害が相次ぐ中、出雲市大津地区で「田んぼダム」を普及させようという取り組みが動き出している。大雨の際に水田で一定量の水を受け止めて河川の増水を抑える仕組みで、島根県内では初の試みという。板を排水桝(ます)にはめ込む簡単な仕掛けで効果が見込まれ、関係者は市内全域への広がりを目指す。
田んぼダムは、豪雨が予想される段階で、水田から水を抜く排水桝にせき板をはめ込んで貯水する。板に入った切り込みが少しずつ排水するため、水が流れ込む河川の増水を抑えることができる。全国では佐賀、熊本、岡山各県で取り組まれており、大津地区の農家らが参加する「大津『田んぼダム』推進協議会」が中心となり、普及に向けて6月に動き出した。
大津地区は、斐伊川や高瀬川から水田用の水を引き、...